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【考察せずにはいられない】美男子エズラ・ミラー主演 「少年は残酷な弓を射る」ストーリー

今回は、エズラ・ミラー主演「少年は残酷な弓を射る」を紹介していきます。

  • エズラ・ミラーが好き
  • 何度も映画を観て考察したい
  • 悲しさを感じる映画が観たい

方におすすめで、一度観た時と、二度観た時では感想が違う映画です。ぜひご覧ください。

「少年は残酷な弓を射る」ストーリー【ネタバレ】

エヴァは旅行ライターとして成功していた。しかし、ある日自身が妊娠していることが発覚。喜ぶフランクリン(彼氏)とは裏腹に、エヴァは赤ちゃんを望んではおらず、子どもに対して負の感情を抱いてしまう。大きなおなかを見て喜ぶママたちを横目に、うつろな表情で自分のおなかを見下ろすエヴァ。

そのうち愛情が沸くだろうと思っていたが、赤ちゃんを愛することができないまま出産。そしてフランクリンと結婚し、キャリアを捨て専業主婦になる事を決めます。

生まれたのは男の子で、名前はケヴィン。表面上こそ良き母親を演じていたが、フランクリンが抱っこすると泣き止み、自分が抱くと泣き出すケヴィンに、どう接していいのか分からずにいます。

言葉を話せるようになったケヴィンは、母に対してひどい言葉を使ったり、いたずらをするようになるのです。いつもおむつを履いていたり、エヴァが遊ぼうとしても無視したり。しかしエヴァも、しっかり育児をしているのに、なぜか”母親”らしい愛情を感じることができません。常にケヴィンの事をどう使っていいのか分からないものとしてみている気がします。

そんなある日、ケヴィンは熱を出し倒れます。この時、いつもならお父さんに抱きつくはずのケヴィンが、エヴァにくっついたのです。そしてエヴァに甘え、膝の上で眠ったのです。しかし、これもつかの間。現気になると、また以前のように悪さを始めるのでした。

ある日、ケヴィンの行動にキレたエヴァは突き飛ばし、ケヴィンの腕を折ってしまいます。しかしケヴィンは、父に理由を聞かれると「転んだ」とウソをつきます。しかしこれは、母を守ったのではなく秘密を握ったのでした。そのうち、ことあるごとに母に腕を見せ、拒否できない状況を作っていきました。

その後、ケヴィンに妹がでます。妹は母にも父にも懐く可愛い女の子です。ある日、妹の飼っていたハムスターをケヴィンが排水溝(ミキサーの刃がある場所)に入れてしまいます。そして妹の片目も、故意に失わせ、義眼にさせてしまうのです。(アクシデントで…となっていましたが、実際はケヴィンがやったと思われます。)

父から、「誕生日のプレゼントに何がほしい?」と聞かれたケヴィンは、アーチェリーを頼みます。そしてアーチェリーを使って、16歳になる前日、家族(エヴァ以外)と学校の体育館で生徒たちを次々に惨殺するという、とんでもない事件を引き起こしたのです…この時ケヴィンは、体育館前で呆然と立ち尽くす母親を見て、体育館からまるで英雄のように登場するのです。

その後、ケヴィンは刑務所に入れられます。生き残ったエヴァは、周囲の人から恨みを買い、家の窓ガラスを割られたり、車や家に真っ赤なペンキをかけられたり、道行く人に急に殴られたりする日々。キャリアはあるものの、仕事も中々見つかりません。それでもこの町を離れず、ケヴィンの部屋を綺麗にし、壁を塗り直し、帰りを待っているのです

最初こそ反抗的な態度で接するケヴィンでしたが、何度もエヴァが刑務所に足を運ぶと、次第に様子が変わってきます。出所を目前としたケヴィンの顔には、沢山の傷(たぶん刑務所内でのいじめ)があり、うつろな目をしています。

そこに以前のケヴィンの姿はなく、エヴァが「どうして?」と聞くと、「分かっていたけど、今はもう分からない」と小さく答えるのでした。

「少年は残酷な弓を射る」考察

ケヴィンは幼いころから、母親にだけ冷たい態度をとります。まるで、自分に向けられていた感情をそのまま母に返す感じで。この映画はエヴァからの視点のみで、終始ケヴィンの行動の真意は不明です。

でも1度だけ、ケヴィンが風邪を引いたとき、母親に素直になった事がありましたよね。

体調の悪い時(自分に余裕のない時)だけ母親に素直に甘えることができた。つまり本心は甘えたいけど、普段わざとひどい事をしていたのでは…という見方ができないでしょうか。

そしてケヴィンは誕生日前夜、アーチェリーを使い大事件を引き起こしますが、実はケヴィンが病気で倒れた時、エヴァに読んでもらった本は、弓を操る人の話でした。(これがきっかけで弓に興味を持った…?)

この話は終始エヴァ目線なので、ケヴィンの本心が分からずもやもやする人が多いと思います。でも話の中で唯一分かっているのが「ケヴィンは母親にしか興味がなかった」と言うことです。

ケヴィンをただのサイコパスと捉える事もできますが、何度もエヴァを困らせるために問題を起こしているところを見ると、あの大事件を引き起こしたのも、ただ「母親を困らせるため」だったのではないかと。

そうなると、最後の「分かっていたけど、今はもう分からない」の真意は、今まで「母親を困らせるつもり」と明確な目的があったけど、今は目的が分からない。「母親を困らせるつもりがなくなった」ととらえることができると思いませんか。

なぜ母を困らせるつもりがなくなったのか。私の見解では、刑務所に通うエヴァや、あれだけ大きな事件を起こしたケヴィンを見捨てず、帰りを待っているエヴァから、「自分を愛している」と感じたのではないでしょうか。

実際、ケヴィンが捕まってからのエヴァの方が、とても母親らしく見えます。ケヴィンも刑務所に入って、会いに来る母親から「母親」を感じ取ったのではないでしょうか。今まで、母親からの愛情を感じれなかった→いたずらを引き起こす、という構図が、エヴァを自分の母親と感じれる今、成り立たなくなったのではないでしょうか。

だから「今はもう分からない」という答えになったのではないか、と。以上が私の「少年は残酷な弓を射る」の考察でした。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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