2019年8月30日
日本のニュースで報道されたのが、香港の民主化運動や広報に貢献してきた黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんと周庭(アグネス・チョウ)さんの逮捕でした。
周庭さんは日本での知名度はありますが、黄之鋒さんはネット上で『メガネ男子』などと呼ばれ、正直あまり知られていません。
実際に私もどんな人なのか知りませんでしたが、調べると、とてもすごい人だと分かりました。
そこで今回は黄之鋒氏にスポットを当てて紹介しようと思います。
1996年10月 香港で生まれる
彼は生まれつきのディスレクシア(読み書きが困難な学習障害)でしたが、両親による教育のおかげで改善。
両親の影響を受け、幼少期から教会での社会活動に参加するようになります。
2011年 15歳 民主派活動家となる
2010年
香港政府が小中学校に中国共産党と中国政府を称賛し、共和主義と民主主義を批判する…中国人だと認識させる教育を導入する案を発表しました。
それを知った彼は一国二制度、民主主義への脅威を感じ、『学民思潮』を設立します。
これは18歳未満による初めての運動組織で、これによって彼は未成年活動家の先駆者となります。
新教育方針は一種の洗脳だとして『教育の撤回』を求め、断食をして抗議するハンガー・ストライキを3万人規模で決行し、政府は事実上撤回しましたが、彼は『教育方針の撤回』を求めて当時のトップの自宅前まで行ってデモを決行しました。
2014年 17歳 雨傘運動のリーダーに
2014年に中国政府が2017年行政長官選挙の立候補の条件から民主派を排除する方針を決定しました。
これに対し彼は香港中に『香港民主を守ろう』と呼び掛け、大規模なデモを起こします。
これが『雨傘運動』です。
この時に香港の女神と呼ばれる周庭(アグネス・チョウ)さんの動画を見た人も多いのではないでしょうか?
彼は無期限のハンガー・ストライキ(断食デモ)を決行しましたが、中国政府は対応せず、彼へのドクターストップによりデモは失敗に終わってしまいます。
2016年 19歳 政党を創設、初代事務局長に就任
活動メンバーで香港が中国からの干渉を受けない権利(自決権)を目標とした政党『香港衆志(デモシスト)』を創設。
彼は初代事務局長を務めました。
2017年 20歳 雨傘革命を非合法集会として逮捕
香港裁判所は雨傘革命を非合法集会だとして、政党『香港衆志(デモシスト)』の幹部メンバーに判決を下して逮捕します。
その際に彼は公に向かってこう言いました。
体を閉じ込められても、精神は閉じ込めることはできない!
我々は香港政府に民主主義を求める。我々は諦めない
2019年 22歳 釈放、改正案デモに復帰
2019年6月19日
100万人規模の改正案デモの渦中に彼は釈放されました。
その後、すぐ彼は周庭(アグネス・チョウ)さんらメンバーと合流。
世界へ向けて香港政府と香港警察の現状を知らしめたのです。
2019年8月30日 香港政府からの突然の拘束
2019年8月30日
『香港の女神が逮捕』
日本の報道番組で組織の広報担当で日本語が流暢だった周庭(アグネス・チョウ)さんの事を大々的に報道しました。
それと共に彼の事も報道されていました。
ここで初めて彼の事を知った方がほとんどでしょう。
しかし予想以上に世界で報道され、反響が大きかった影響か、即日釈放されました。
彼は釈放後Facebookにて『家に警察がやってきて私を拘束した。たとえ政府が私達を捕まえても香港人は民主化を諦めないだろう!』と強く言っています。
2019年9月8日 保釈条件違反で再び拘束
香港の民主化を世界に訴える為にドイツへ行こうとした彼が拘束されました。
理由は『保釈条件違反をしてアメリカとドイツへ出国しようとしたから』です。
しかし実際の条件にはドイツとアメリカへ行ってはいけないという項目はなく、9日に釈放されました。
保釈後、彼は記者会見で
『(ドイツへの出国で)政治的な(理由での)起訴があるとは思っていないですが、きのう、私は実際に24時間拘留されました』
と香港政府と香港警察が正常に機能していない事を主張し、今後も政府と争う姿勢を表明しました。
まとめ
いや…15歳で民衆を率いる活動家って普通に考えてすごいですよね…
私が15歳の時なんて、友達と漫画やアニメの話で盛り上がり、政治なんて気にもしていませんでした。
日本の若者も彼のように政治に関心を寄せて行動しなければいけないのかもしれませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。