こんにちは。
中国へ行った友達や家族と連絡がとりにくい…
中国へ旅行に行ったらネットが使えなかった…
そんな経験ありませんか?
世界的な経済大国となりつつある中国ですが、
『インターネットの言論が自由な国家ランキング』
において紛争地帯でもあるシリアよりも低い
世界ワースト1位(65位)
にランク付けされている事はご存じでしょうか?(2018年)
(日本はフランス、イタリアと並んでベスト8位)
今日は、経済大国なのにどうしてインターネット環境が不便なのか、そして中国人とネット交流する際に気を付ける点など、実際に体験した事を交えながら個人的な考えをゆるっと書いていこうと思います。
今、中華人民共和国…中国は共産党による一党独裁国家です。
一応共産党以外の党もありますが、お飾りのようなものです。
もし口頭やインターネットで共産党の創始者 毛沢東や共産党を馬鹿にしたり否定している所を見つかってしまうと、国家反逆罪として捕まり、最悪存在を消されてしまいます。
こう聞くと日本ではありえない事で恐ろしいことかもしれません。
しかし考えてみましょう…
万一日本のような民主主義になったとします。
あの広い場所で言論統制がなくなると新しい思想のグループが次々と結成され、不満を抱えた国民たちによって内乱が勃発します。
分裂による領土問題ももちろん起こるでしょう。
共産党によって警察や軍が成り立っているわけですから、それらを抑える役割もいないわけです。
たちまちシリアのように大きな紛争地帯になってしまうでしょう…
それを防ぐためにも中国政府は国民に反政府グループを作らせないようインターネット規制を敷いているのです。
現に今でも中国各地で起こっているデモや暴動を軍が武力制圧して隠しています。
そして世界も大混乱が世界情勢にも影響を与えるので、見て見ぬふりをしているのです。
現在、中共(中国共産党)はインターネット規制を広げ『Yahoo!』『google』『YouTube』など海外のコンテンツを閲覧できなくしています。
ネット規制によって何が起こっているのかというと、江戸時代の日本と同じ『鎖国』です。
その為、国民は外から便利な物が入ってこなければ自分たちで作ろう!と作り始めます。
しかしこれも政府の監視があるので、政府を批判するような内容の物を作ってはいけません。
その結果、中国は『We chat(微信)』というチャットアプリを作り出しました。
実はこのアプリ…私達が日頃よく使っている『LINE』の元祖。
そして『Twitter』も使えないので『Weibo(ウェイボー 微博)』というSNSを開発しました。
他にもIT情報の鎖国によって、ゲームやアニメ制作、CG技術も急激に成長を遂げます。
もし規制をかけなければたちまち海外のコンテンツに支配され、そこから反政府的な知識を身につけてしまうかもしれません。
反政府を生み出さない為にも危険分子は無くしてしまおう、自国で独自に開発していこうという事なのです。
ちなみにこれら全ては政府からの監視の目が光っているので迂闊な事を書けば処罰対象となってしまうのです。
日本では『安倍内閣は最悪』だとか自由に批判を書けて幸せだと思わなければいけませんね。
中国では6月4日前後の半月間、インターネット規制を強化しています。
これは1989年6月4日に中国政府がデモ隊を武力で淘汰した日だからです。
天安門にて行われたので天安門事件と呼ばれており、政府はこの事を恥辱として必死に隠し、当時のデモ参加者や事件の遺族を常に監視しています。
他にも反政府を訴えかけていた活動家が監禁中に亡くなった時など、デモに繋がりかねない時期はネット規制を強化します。
チャットアプリ『We chat』も政府が常に監視しているので、危険な時期は少しの言動が命とりになるので慎重になり、個人的に海外とは連絡をとろうとしません。
これは私が6月2日に中国に住む友達とグループチャットをしていた時のちょっとしたトラブルです。
中国語が分からない方の為に翻訳しましょう。
私:初めて中国に行くんだ
A:台湾も中国の1つの省です
B:(;´Д`)
ちょちょちょちょちょ!
A:(;゚Д゚)!
私:うん…私は台湾中国問題の事は話してないよ
A:うん その話は終わろう
それよりも別の話題を。
C:私抜けるわ
バイバイ
B:まだ『戦車の日』まで2日ある
みんな解散して静かにしていよう
このやりとりから友達がどれほど監視の目を恐れているかが分かりますか?
ただでさえ中国では政治の話はタブーなのです。
この日は2019年6月2日…
天安門事件は1989年6月4日…
2日後が天安門事件の発生から30年という大きな節目で、監視の目が今まで以上に厳しくなっているのです。
そんな時に監視対象となりかねない政治論争を投げた1人をもう1人が慌てて制止し、半強制的に解散した…という訳なのです。
このやりとり内に含まれる発言の意図、隠語の解説をしながら中国人との関わり合いの注意点を説明していこうと思います。
中国人とやりとりをする時に気を付けるべき点
- 台湾について極力触れない
- 中国社会や一党独裁を否定する内容を送らない
- 『天安門事件』というキーワードを出してはならない
台湾と中国を区別して書くと、たとえ私達にそのつもりがなくとも、敏感な中国人は怒ってきます。
そもそも台湾と中国は歴史的にややこしい関係なのです。
第2次世界大戦後、台湾は日本の統治下から国民党党首 蒋介石が治める中華民国に帰属することになったのですが、共産党党首 毛沢東が率いる中華人民解放軍が戦争を仕掛け、追い詰められた蒋介石は台湾で籠城作戦を実行します。
しばらく戦いが続いた後、蒋介石と毛沢東は台湾と大陸の間でにらみ合うように対立しました。
蒋介石は台湾を中華民国、毛沢東は大陸を中華人民共和国と改めます。
毛沢東は『中華民国は大陸から出ていけ』と台湾周辺を中国の地図から消してしまいます。
1989年に中華民国(台湾)は中国と同じ国民党による一党独裁から民主主義…そして今の平和的な姿へと変わりました。
しかし近年の中国の行動はご存じでしょう。
周囲国家をだまして無人島を軍用施設にしたり、民族を弾圧して領土を広げようとしています。
そんな中国政府は学校で『台湾は中華人民共和国の台湾省…香港と同じ中国の省の一部』と教えました。
本来の『中華民国』を『中華人民共和国』とすり替えて教えているのです。
ですので教育を信じている中国人に台湾と中国を区別して話す事は、日本人でいう沖縄と日本を区別して話すような感覚なのです。
もし言われたら私達は「え?沖縄は日本だよ!?」と言いますよね。
そのような感覚で中国人は怒ってきます。
しかし例え相手がこの歴史を理解していなくても、こちらから間違いを諭す事はやめましょう。
下手すると相手が反政府的やりとりをしたと思われ、監視対象、処罰対象になりかねません…
相手が中国にいる限りはそっとしておきましょう。
日本の常識からすると中国社会や共産党のやり方には賛成できない面がたくさんありますし、いい友達だからこそ洗脳から目を覚まして欲しい気持ちもあります。
しかしよく考えてください。
中国にいる人がネットをしているという事は政府から常に監視されている状態なんです。
すなわち反政府的な会話を政府が傍受(盗み見)して見つかってしまった場合、日本にいる私達は平気でも、中国にいる相手の命を危険にさらしてしまう可能性があります。
近年はAIを使った監視も行われているそうで、ますます自由度は下がっているみたいです。
これはかなり重要で、相手に危険が及びます!
この事件は政府にとっては国民が反政府デモを引き起こす大きな要因です。
日本でLINE乗っ取りが多発した頃、『天安門事件』と送ると犯人が勝手にログアウトすると言われてました。
これはネット規制によるもので、外部から事件に関する事が送られてくる事を防ぐ為に『天安門事件』というワードを禁じているからです。
中国で『天安門事件』は口にしてはならない、まさに命のかかった禁句なのです。
ですので国民は様々な隠語を利用して話しています。
先ほどのメッセージ内で話していた『戦車の日』とは『天安門事件』の隠語です。
政府に目を付けられると家族親戚にまで及ぶ行動監視、財産没収、投獄など、ひどい目にあってしまうのです。
中国のネット事情、いかがでしたでしょうか?
中国人と直接交流することは滅多にないと思いますが、近年は中国人留学生や就労、アルバイトなどで日本に来る中国人が増えています。
どこで中国人と交流があるか分かりません。
しかし今伝えた事さえ守れば何ともない人達です。
ぜひ楽しく交流してくださいね。