人間関係

【実録】新設ブラック保育園へ就職した私の地獄の保育士生活~第2章~

※特定されないよう園名や個人名などは伏せています。内容は鬱の影響で一部記憶の相違があるかもしれませんが、ノンフィクションです。新設の保育所への就職を考えている方には1度読んで欲しいです。※

(1話はこちら↓)

事情を知った同僚達は(やっぱりそういう事か)というようなため息をついていた。
それ以降、私は退勤になると園長に呼ばれ、個室で執拗に自己否定を植え付けられた。

『自分が他の先生の迷惑になると考えないのか』
『あんたが辞めたって、派遣でいくらでも良い先生が入ってくるんや。』
自主退職を促すような口ぶりだった。
それが遅番(20時退勤)の度に3時間近く行われていたのだ。

家に帰ると11時を回っていた。これが退職するまで実に1年間続いたのである。

その影響で、今でも個室など、周囲に人がいない状況で指導や相談をされると、フラッシュバックから過呼吸を引き起こしてしまうようになる。

PTSD、いわゆるパニックを引き起こしてしまう程の酷いトラウマである。

さて話を戻そう。
本来保育園では、法律によって保育士と子どもの割合が決まっている。
0歳児の場合は子ども3人に対して、保育士が1人必要なのだ。

だが園長は自分ルールを掲げてそれを守らない。

ある日の職員会議にて
『2歳児クラスに新しい子が入ります。
0歳児の弟さんがいるんですが、弟さんも受け入れますので、
0歳児クラスの先生方は受け入れ準備お願いします。』


すかさず隣の同僚が発言した。
『すでに0歳は受け入れの定員を超えてるんですが…💦』

0歳児の担任がみな軽く頷く。
その時すでに、0歳児クラスは子ども5人に対して保育士1人という、行政から余裕で指導を受けるレベルだったのだ。

『じゃあ弟さんはどうするんや!?
兄弟別々にさせるんか!?
保護者の気持ちも少しは考え!!!』

園長の現場を考えない怒号に同僚からため息が漏れた。
しかしこの後の園長の言葉に私達は言葉を失う。


『誕生日がきて1歳になっている子ども達がいますよね?
誕生日がきて1歳になれば0歳児ではなく1歳児扱いに出来ます。(嘘)
1歳児の入園したての3月生まれの子とほぼ変わらないんですから(大嘘)
6人を1人で保育する事が可能で、定員オーバーにはなりません。(超大嘘)
1歳になった子を別のクラスにしましょうか。』

法律上、年度中に1歳を迎える子どもが0歳児である。
1歳を迎えたからといって対応できる人数が増えるというのは、園長のでっちあげた都合のいい嘘だ。

そしてそれから0歳児クラスでのさらなる地獄が始まった。
保育室の大移動が始まる。


0歳児クラスはクラス名の後ろに1,2が付き、2つに分けられた。(さらに増え、後に3つに分けられる。)

1歳になると隣の保育室へ移動し、それと同時に次々へと新しい子どもが入ってくる。
気が付けば、子どもは0歳児の定員の2倍をとうに超えていた。
来年の0歳児に該当する子どもすら早々に受け入れられ、保育の現場に放り込まれた。
1歳目前の歩き回る子どもがたくさんいる中、寝返りもできないような乳児が混ざっているのだ。
子育て経験のある方ならおぞましい光景だという事がすぐにわかるだろう。

『すごく子どもが多いんですけど大丈夫なんですか?』
とうとう保護者から不安の声が出始める。
大丈夫なわけないでしょう、どうか園長に言ってください!
…とは口が裂けても言えない。


その頃、世間では新型インフルエンザが流行っていた。
一晩で高熱になるという恐ろしい症状だ。

ある日、私は体が急に怠くなり、関節が痛くなった。

案の定その晩、遺書を書こうかと考える程体が怠く、息切れが酷くなった。
水分補給をしようとペットボトルの蓋を開けようにも力が全く入らない。
熱を測ると41度という酷い高熱だった。明らかに新型インフルエンザの症状だ。
すでに夜の12時をまわっている。
幸いにも家に以前処方されたインフルエンザの特攻薬があった為、ヤバイと思った母は私に飲ませた。
※古い処方薬を飲む事は大変危険です。決して真似をしないでください。※


1時間もすると症状は治まり、ようやく眠る事が出来た。
翌日は日曜日だった為、休日診療を受診した。

検査結果は陰性だったが、インフルエンザの薬が効いた事から新型インフルエンザだったのではないかと言われた。
明日は大事をとって休んだ方がいいと言われる。

しかし…
どんな病気であれ、あの園長からは

『体調管理が出来ない保育士は失格だ』
という無慈悲な言葉が園長から浴びせられるだろう。

以前、公休日に休んだら職員会議で全職員の前に立たされ、泣くまで園長に散々責め立てられた事がある。
あれはもう勘弁だ。
もう休みたくない。

私は翌日も変わらぬ顔で出勤した。
同僚には高熱の事を伝えたが、事務室では健康を装った。
そのおかげかバレる事もなく平穏に(?)過ごす事が出来た。

務めていた保育園は給食を業者に委託しており、給食会議で園長が指示を出せば、業者はそれに従うシステムになっている。
2月
バレンタインの季節。

何を考えたのか、園長はおやつにチョコレートを指定した。
1歳児にもチョコレートを食べさせていたが、糖分が多いチョコレート、敏感な親御さんはビックリするだろう。

案の定
『1歳にチョコレートをあげるのはいかがなものか!』
という保護者の意見が出た。
しかし園長が職員会議にて発した言葉は

『◯○ちゃんのお母さんのような過保護な保護者がいるので
今後は○◯ちゃんのお母さんには気を付けましょう。』

チョコレートは糖分が多く、虫歯の大きな原因にもなりかねない、乳幼児の親御さんにとっては敏感になる事だ。
それなのにモンスターペアレント扱いをする園長。
本当にこの人は子育て経験のある人なのかと思うような発言だった。


3月、進級のシーズン。
保育園では1つのアルバムを0〜5歳児の6つに分け、当時の各担任が各エリアのページを製作し、卒園時に渡すようにしていた。
カバーは手作りで1から作らなくてはならない。


通常はその材料を園が用意してくれるが、この園はそんな事をしてくれない。
各クラスで材料を予算の中で一から用意しろというのだ。
保育、壁面、行事に追われる私達にアルバム作りという仕事が更にのしかかる。

とりあえず0歳クラスの材料は私が家族の協力を得て用意した。
各パーツを分担して作る。もちろんカバーだけではなく中も凝らなくてはならない。
毎日休みもなく必死に頑張った。

もうすぐ進級だ。(第3章へ続く…)

関連記事
error: 警告! コンテンツは保護されています
Content is protected !!