第12話 最終イベントが来てしまった…
悪魔に憑りつかれているシリウスの前に再び現れるカタリナ。
「なぜ呪いをかけた僕の前に再び姿を現したんだ!」というシリウスに対し、「本当に私を襲うつもりなら、闇の魔法で眠らせるより、その場でとどめを刺した方が楽だったはずだ。」と答えるカタリナ。
シリウスはハッとした顔をする。そしてカタリナは「ちゃんと話がしたいから来た。
あの時の会長は、すごく苦しそうな顔をして泣いていたから。
だからもう一度ちゃんと話をしたかった。」と告げる。
シリウスは「来るな!」と叫ぶと、シリウスの周りにある黒い靄が大きくなっていく。
ニコルやジオルドから「どこで闇の魔法を手に入れた?」と聞かれると、シリウスは笑い「シリウス?そんなヤツはどこにもいない。シリウスは亡くなった。
とっくの昔に。
8年前、僕はここで大切な人を奪われた。
あいつらに…幸せを壊されたんだ!」と言い放つ。
シリウスは闇が深そうですね💦…
~シリウスの回想~
幼いシリウスは母親に紅茶を入れる。
母親は「あなたの入れてくれたお茶はとても優しい味がするわ。」と微笑んだ。
シリウスは「母さんに喜んでもらうために練習したんだ。」と笑顔になる。
あ~!だからカタリナが同じことを言った時、驚いた顔をしたのか!!
次の瞬間、玄関の扉が開き、複数の男たちが母親とシリウスを連れ地下へ連れて行った。
拘束されたシリウスに女が近づき、そして近くにいる眠った男の子に対し「私の愛しい子。もうすぐ新しい体が手に入る。」とささやく。
そして「さ、生贄をここに。」と言い、連れてこられたのは、なんとシリウスの母親だった。
女は「お前たち家族だけ幸せに暮らすなんて許せない!」と言い、シリウスの母を紋章が描かれた中心に連れていく。
急な展開すぎる…男の子を助けるためにシリウスたちを拘束するなんて…。
そして女は「私の息子(シリウス)は不治の病に侵されているの。
かわいそうに…もう余命いくばくもないのよ。
でも闇の魔力があれば、心を操作し記憶を移し替える事ができる。健康な体さえあれば、息子は生きていけるのよ。
息子の役に立ってちょうだい、そうすればあなたを許してあげる。」と言うと、周りにいる男はシリウスの母に対し、呪文を唱え母をナイフでさした。
意識を失いかけた母は、シリウスに向かって「どうか、敵をとって。」と言い残し、息を引き取る。
なるほど、息子の名前がシリウスだったんですね。
てことは、会長には他に名前があるの…?
母の命を引き換えに闇の魔力を手に入れた男たちと女は、女の息子(シリウス)の記憶を、幼いシリウスに移した。
記憶を入れられた幼いシリウスは、女を見て「お母さま」とつぶやく。
女は「闇の魔法は成功したのね!」と喜ぶ。
記憶を移し替えられたシリウスは、女の夫であるディーク公爵は遊び人でメイドだったシリウスの母に手を付け、それに怒った女がシリウスの母を生贄にしたと知る。
悪いの夫じゃないかー!!なんでシリウスのお母さんに怒りをぶつけてるんだー!!
女の計画では記憶を移し替えると、幼いシリウスは消え、息子のシリウス・ディークになるはずだった。
しかし計画は失敗し、幼いシリウスに移されたのは息子のただの情報で、シリウスの思いなどなかったのだ。
それになぜか幼いシリウスは闇の魔力を手に入れた。
幼いシリウスはいつか復讐するため、ずっと良い子のシリウス・ディークを演じ続けていたのだ。
これは復讐したくなるのも無理はないかも…💦
そんな事があったなんて…と驚くカタリナに対し、投げやりに「僕の事も救ってくれるって言うのか?!」と叫ぶシリウス。
マリアからこれ以上は危険だと言われるカタリナだったが、シリウスに近づいていく。
そして「私があなたを救うなんて無理だわ。
だって主人公じゃないもの。私はただのライバル役の悪役令嬢なんだから。
人を救うなんてできるわけないわ。
あなたが苦しんでいるのを救ってあげることはできないけど、でも側にいることはできるから。
皆が私にしてくれたように側にいて、悲しい時辛い時には話しを聞いて、元気が出るまで一緒にいるわ!」と言った。
シリウスはハッと目を見開き、幼い時母も同じように言ってくれた事を思い出していた。
カタリナは「だから一人で泣かないで。ラファエル!」と言い、手をさし伸ばす。
全部お母さんが言った言葉なんですね。
なんでカタリナは名前を知っていたのかな?
「なぜ僕の名前を…」と言うシリウスに母の最期が蘇る。
母は亡くなる直前「シリウス、どうか幸せになって。
愛してるわ。」とシリウスに伝えていたのだ。
シリウスの記憶は間違っていたのだ。
あぁ、そうだったんだ。
記憶が鮮明になって良かった…。
正気に戻ったシリウスはカタリナの手を取ろうとするが、その瞬間黒い霧がシリウスを包み、「何をしている!こんなヤツの言うことなんて聞くな!」と叫ぶ。
シリウスは「嫌だ!僕はもう復讐なんてしない!全部思い出した。母さんの最後の言葉も!お前は一体誰なんだ!」と言うと、黒い靄が姿を現した。
なんと黒い靄の正体は、シリウスの母に呪いをかけ女に使い捨てにされた男だったのだ。
反抗するシリウスに対し、男は力を使うが、カタリナはすぐさまシリウスの手を取ると、シリウスは自分の力で男を葬りさった。
そしてカタリナ顔を見たシリウスは笑顔になった。
よかったぁ。本当に良かった。
シリウスは罪を償ってやりなおそうと思うと言い、役人の元へ行った。
ディーク家の罪も明るみになり、最悪のバッドエンドは回避できた。
しかしカタリナはまだゲームの最終イベント、2年生の卒業パーティーが残っているから油断できないと心に誓う。
もうさすがに大丈夫でしょ!
卒業パーティーの日、カタリナの脳内では会議が広げられていた。本来ならマリアが卒業パーティーの日、意中の相手に「これからもずっとあなたの傍にいさせてください。」と告げるのだ。
マリアがバッドエンドを迎えると、カタリナもバッドエンドになってしまう。
カタリナは小さい時からずっとこの時のために準備を始めていたのだ。
長い8年だった…としみじみ感じるカタリナが、面白いです。笑
会場ではニコルが女性たちから花束を受け取っていた。
カタリナもニコルに花束を渡すが、それは花ではなく野菜のブーケだった。
「これなら飾って捨てるだけじゃなく、お腹も満たすことができる。」というカタリナの言葉を聞いて、ニコルは微笑む。
ちょうどそこへ来たアランたちも、笑いに包まれていた。
さすがカタリナ!確かに野菜ならいいですね!笑
アランやジオルドの演奏にうっとりする中、カタリナはマリアが告白する感じがない事に気づく。
破滅フラグを気にするカタリナは、直接マリアに「あなた好きな人はいないの?」と聞くと、マリアは赤くなり「私は、カタリナさまをお慕いしております。」と言う。
「気になる男性は?」と聞くカタリナに対し、「いませんね。私には気になる男性はいません。
私が気になるのもお慕いしているのも、ずっとそばにいたいと思うのもカタリナさまです。これからもずっと傍にいさせてください。」と告げる。
おぉ~、やっぱり意中の相手はカタリナだったんですね!
驚くカタリナの後ろから「抜け駆けはいけませんわ。マリアさん!」と言いながらメアリとソフィアが走ってくる。
続いてニコル、アラン、キース、ジオルドも「ずっと一緒にいさせてくれ」と近づいてくる。
カタリナはこれを見て、主人公が誰とも結ばれず皆いいお友達で終わる友情エンドだと推測する。
これなら私が破滅するこはない!とガッツポーズをする。
カタリナおめでとう!!破滅フラグは回避できたね!
最後に皆でお茶を飲んでいると、そこへシリウスを改めラファエルがやってくる。
そしてラファエルはカタリナに近づき、「これからもあなたの傍にいることを許してくれますか?」と言い膝まずく。その様子を見てライバルが増えたと嘆くメアリたち。
やきもちをやくメアリやジオルドたちが可愛いです。
春を迎え皆それぞれの道を歩き出す。
カタリナはこんな仲間たちに囲まれて幸せだ!と思いながら、仲間たちの方へ歩き出していった。
いやぁ~いい話でした。本当に。良かったね、カタリナ!